最終更新日:2017年03月09日 | 788views

勉強になるおすすめ歴史漫画50選

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歴史は、私たちにさまざまなことを教えてくれます。日本の歴史を見ても、同じ国のはずなのにまったく違う生活をしていたり、価値観の違いがあったり。政治、戦争、文化など過去にあったことを活き活きと描き出す歴史漫画は学習にも役立ちますし、なによりとっても面白いですよね。

この記事では、『日出処の天子』『るろうに剣心』『キングダム』など、歴史に焦点を当てた漫画を50作品紹介したいと思います。感動もの、コメディタッチのもの、ミステリーやサスペンスとしても楽しめる作品が続々登場します。日本史編、世界史編に分けてお送りしますので、興味のあるものをチェックしてみて下さいね!

ロマン溢れる歴史漫画がたくさん

今回揃えた50作の漫画は、いわゆる「学習漫画」ではなく、エンターテイメント性を重視したものや、史実を大胆にアレンジした作品も多くなっています。その虚と実を物語として表現できるのが漫画の面白いところですね。

なるべく歴史の古い順から並べています。自分の好きな時代を見てみるもよし、全部読んでいただいて、今まで知らなかった作品を知るもよしです。ぜひどうぞ。

日本史 古代編

まずは日本史の古代、飛鳥・奈良時代を舞台とした作品をご紹介します。現在でもよく分かっていないことが多いこの時代は、意外にも国際色溢れる頃でもあり、中国などとの国交も盛んでした。

女性漫画家が多くこの時代を描いていることでも知られています。

『日出処の天子』 山岸凉子 白泉社

日出処の天子 (第1巻) (白泉社文庫)

・現在完結済み
・コミックス全11巻、スペシャルコミックス全8巻、文庫版・完全版各全7巻
・白泉社「LaLa」に掲載
・その他:第7回講談社漫画賞少女部門受賞

聖徳太子が超能力者?日本少女マンガ史に残る奇作

日本人なら誰でも知っている偉人・聖徳太子(厩戸皇子)が、超能力者であり同性愛者であったという衝撃的な設定が話題となった漫画です。しかしその設定だけではなく、端整な作画と話のもっていき方にも定評があり、ホラー的な要素もある作品です。

作者の山岸凉子は少女漫画界でも大家と言っていい存在ですが、この作品によって講談社漫画賞を受賞、名を上げました。また聖徳太子よりもさらに前の時代を扱った同作者の『ヤマトタケル』も有名な作品ですので、古代好きの方は読んでみるのもいいでしょう。

『天智と天武』 中村真理子 小学館

天智と天武 1 -新説・日本書紀- (ビッグコミックス)
596円(税込)

・現在連載中
・既刊11巻まで
・小学館「ビッグコミックス」に掲載
・その他:無し

日本古代史を彩る兄弟喧嘩

大化の改新を行った天智天皇(中大兄皇子)と、その弟であり、壬申の乱を起こした天武天皇(大海人皇子)。二人はどのような時代を生き、そしてクーデターと乱を起こすに至ったのか? その二人の生きざまを、新説にもとづいて漫画とした作品です。監修は映画評論家の園村昌弘が行っています。

中臣鎌足(藤原鎌足)と豊璋が同一人物であったりするなど、びっくりするような設定がたくさん出てきますので、初めて読んだ人は度肝を抜かれるかもしれませんが、新しい学説とそのアレンジがもたらす歴史の波をご堪能下さい。

『天の果て地の限り』 大和和紀 講談社

天の果て地の限り (講談社漫画文庫)
756円(税込)

・現在完結済み
・全1巻
・講談社「月刊mimi」に掲載
・その他:無し

二人の帝から愛された女流歌人

この作品は、歴史漫画をたくさん手がけていることで知られる漫画家・大和和紀が、万葉集で「紫草の匂える妹」と歌われた額田女王(額田王)を主人公とした漫画です。

天智天皇と天武天皇、どちらにも愛された額田女王。彼女の残した歌と、激動する古代のうねりが相まって、大変面白い作品となっています。

同作者は『はいからさんが通る』、この記事でもご紹介する『あさきゆめみし』でも有名ですので、そちらもチェックしてみて下さい。

『長屋王残照記』 里中満智子 中央公論新社

長屋王残照記 (1) (中公文庫―コミック版 (Cさ1-16))
741円(税込)

・現在完結済み
・全3巻(講談社から出版)、文庫版は全2巻
・掲載誌なし(描き下ろし)
・その他:同作者『天上の虹』のサイドストーリー

なぜ「長屋王の変」は起きたのか?古代史漫画の名手が送る作品

持統天皇を描いた『天上の虹』、『古事記』の漫画版など、古代ものを多く手がける里中満智子による長屋王の一代記です。長屋王と言えば、「長屋王の変」で非業の死を遂げたことで知られますが、高潔な心を持っていた彼に、なぜ政変が起きてしまったのか迫ります。

この作品は『天上の虹』のサイドストーリーとして設定されていますが、この作品だけでも差し支えなく読めるようになっています。

『たむらまろさん』 ユキムラ エンターブレイン

たむらまろさん (B's-LOG COMICS)
670円(税込)

・現在完結済み
・全3巻
・エンターブレイン「B's-LOG COMIC」に掲載
・その他:無し

坂上田村麻呂をコメディタッチに描く

「坂上田村麻呂」という名前は有名ですが、実際に何をした人かはあまり知られていませんよね。実は征夷大将軍となって、当時まだ朝廷の支配下になかった東北地方を平定した人物なのですが、この漫画ではそんな功績はどこへやら、コメディ色の強い作品となっています。

遷都したがり(そして史実では実際に遷都してしまった)桓武天皇など、脇役でありがなら濃いキャラクターたちにも注目したいところです。

日本史 平安時代編

平安時代と言うと、源氏物語のイメージが強い方が多いと思います。平安時代を舞台にした作品は、やはり朝廷を舞台にした作品が多いようです。

しかし平安時代は、貴族たちがのんびりしていた時代というわけでもありません。そこに生きる人々の苦しみや願いも、漫画で表現されているんですよ。

『あさきゆめみし』 大和和紀 講談社

あさきゆめみし 1 完全版 (KCデラックス)

・現在完結済み
・全13巻、大型版全7巻、文庫版全7巻、完全版全10巻
・講談社「月刊mimi」のちに「mimi excellent」に掲載
・その他:原作は「源氏物語」。宝塚歌劇団によって舞台化

源氏物語が漫画化!絢爛豪華な恋物語

平安時代を代表する物語である『源氏物語』を漫画化した作品です。世に源氏物語をテーマにした作品は多けれど、恐らく最も有名な漫画作品ではないかと思います。

必ずしも原作通りに話が進むわけではなく、適度にオリジナルストーリーを加えてはいますが、源氏物語に触れるにはとても良い入門書としての一面も持っています。とにかく豪華で華やかで、王朝の恋を味わえる作品と言えるでしょう。

『とりかえ・ばや』 さいとうちほ 小学館

とりかえ・ばや 1 (フラワーコミックスアルファ)
463円(税込)

・現在連載中
・既刊10巻
・小学館「月刊フラワーズ」に掲載
・その他:原作は作者不詳の物語

男女が入れ替わったきょうだいの毎日

源氏物語ほどの知名度はありませんが、『とりかへばや物語』という平安時代に成立した物語があります。その作品を原作とするのがこちら。男として育てられた女君と、女として育てられた男君。二人が巻き起こす日常とは?

『とりかへばや物語』と言いますと氷室冴子原作の漫画『ざ・ちぇんじ!』も有名です。そちらも大変面白い漫画として知られていますので、どちらも読んで比べてみるのも楽しいかもしれません。

『なんて素敵にジャパネスク』 山内直実 白泉社

なんて素敵にジャパネスク (第1巻) (白泉社文庫)
700円(税込)

・現在完結済み
・コミックス全11巻、文庫版全6巻、愛蔵版全7巻
・白泉社「花とゆめ」「別冊花とゆめ」に掲載
・その他:原作は氷室冴子

平安時代を舞台にしたドタバタコメディ

少女向けライトノベル、少女小説家として名を馳せた氷室冴子の原作小説を漫画化した作品です。平安時代のお姫様と言えば、家から滅多に出ずに部屋の中で和歌を読んでいる印象ですが、この漫画の主人公・瑠璃はそうは行きません。彼女の行先には何が待っているのでしょうか。婚約者である高彬との恋の行方も見どころです。

氷室冴子と言えば、「コバルト」などの少女小説ブームを支えた第一人者として知られています。早逝が惜しまれますが、現在も作品を読むことができるのは嬉しいことですね。続編の「人妻編」も漫画になっています。

『陰陽師』 岡野玲子 白泉社

陰陽師 (1) (Jets comics)
833円(税込)

・現在完結済み
・全13巻
・スコラ「コミックバーガー」「コミックバーズ」、白泉社「月刊メロディ」に掲載
・その他:続編に『陰陽師 玉手匣』あり。
 第37回星雲賞コミック部門受賞

夢枕獏の小説を、漫画としての表現で昇華

こちらは夢枕獏の小説を原作とする漫画です。端正な絵柄と、おっとりとした話の進行、そして宗教・幻想的な世界観が素敵な作品として仕上がっています。小説を、視覚情報の多い漫画にすると往々にして作品の印象が変わることがありますが、この作品は原作の世界をさらに広げた感じがします。

時には当時使われていなかったであろう横文字も登場しますが、平安時代の印象を壊しません。描かれる作品世界をぜひ体感していただきたい一作です。

『応天の門』 灰原薬 新潮社

応天の門 1 (BUNCH COMICS)
626円(税込)

・現在連載中
・既刊6巻
・新潮社「コミック@バンチ」に掲載
・その他:本郷和人監修

意外なバディが平安京の謎を解く

学問の神様として名高い菅原道真と、伊勢物語の主人公ではないかと言われる在原業平。同じ平安人でも共通点が少ないと思われる二人は、意外にも仲が良かったのだそうです。そんな点に着目し、二人を中心に起こる平安京の事件を解決させる。それが『応天の門』です。

この作品はただの時代ミステリーではなく、「応天門の変」と呼ばれる政変、権力争いについても描かれています。藤原氏と伴氏の争いに決着はつくのか?というところも、大きな見どころです。監修には東京大学教授の本郷和人氏を招いています。

『阿・吽』 おかざき真里 小学館

阿・吽 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
700円(税込)

・現在連載中
・既刊5巻
・小学館「月刊スピリッツ」に掲載
・その他:無し

日本仏教に革命を起こす二人の艱難辛苦

おかざき真里と言えば、『サプリ』など現代女性の生き方を描いた作品で有名ですが、この作品はまったく違います。平安時代に日本で生まれる仏教宗派の天台宗と真言宗、その教祖二人を描いた壮絶な宗教曼荼羅がこの『阿・吽』なのです。

正しさが人を救わないことを嘆く最澄と、ひたすら修行をし続ける空海。二人が目指すのは中国。そこで二人は何を見、何を知り、そして日本で何を救いの道とするのでしょうか。

驚くほど簡単に人が死ぬ世界で、どう生きるべきかを探った漫画です。

日本史 鎌倉時代編

日本の歴史上で初めて武士が幕府を築いた時代であるにも関わらず、なんだか地味な印象を持たれがちな鎌倉時代。そのため、漫画の作品数もそれほど多くはありません。

この後、時代は南北朝時代へと進みますが、南北朝時代はその複雑さから歴史好きからも難しいと言われています。でも勉強してみればきっと面白いはず。素敵な作品が登場することを願いましょう。

『ぶっしのぶっしん 鎌倉半分仏師録』 鎌谷悠希 スクウェア・エニックス

ぶっしのぶっしん 鎌倉半分仏師録(1) (ガンガンコミックスONLINE)
617円(税込)

・現在連載中
・既刊5巻
・スクウェア・エニックス「ガンガンONLINE」に掲載
・その他:無し

半身を失った仏師が戦う道具は、仏身!?

時代ものの漫画作品でも、仏師(仏像を作る人)を扱った珍しい作品です。半身を失った仏師・想は、仏像と御仏を呼び出して戦うことが出来るという、奇想天外な作品となっています。

柔らかい表紙の絵とは裏腹に、意外にも展開は熱いバトルものです。この時代が好きな方、エンターテイメント性の溢れた設定が好きな人におすすめの漫画です。

『アンゴルモア 元寇合戦記』 たかぎ七彦 角川書店

アンゴルモア 元寇合戦記 (1) (カドカワコミックス・エース)
626円(税込)

・現在連載中
・既刊6巻
・角川書店「サムライエース」「コミックウォーカー」に掲載
・その他:無し

攻め入る元軍に、鎌倉幕府は抵抗できるのか

日本の歴史の中でも敵軍が攻め入ってきたと言う時代は数少ないのですが、こちらはその中の一つである「元寇」を扱った作品です。対馬で激突する両軍は、どのような戦いを繰り広げるのか。

主人公である朽井迅三郎の活躍も、モンゴル軍の数の多さも、すべてが見どころです。なによりモンゴル軍を扱う漫画は非常に珍しいため、この時代に興味がある方はぜひ読んでおくべき作品だと思います。

日本史 室町・戦国時代編

日本史の中でも、幕末と並んで人気が高いのが戦国時代です。群雄割拠の英雄たちが各地で知恵をひねり、権謀術数を尽くして合戦を行い、領地経営に明け暮れました。

乱世では数奇な運命を辿った人物が出てきやすいからか、さまざまな人物が登場します。漫画作品でもいろいろな人物が登場しますので、ぜひご覧ください。

『雪花の虎』 東村アキコ 小学館

雪花の虎 1 (ビッグコミックス) (ビッグコミックススペシャル)
493円(税込)

・現在連載中
・既刊4巻
・小学館「ヒバナ」に掲載
・その他:無し

毘沙門天の化身は女だった!?上杉謙信女性説にもとづく新感覚漫画

自らを「毘沙門天の化身」とし、川中島の合戦で武田信玄と壮絶な合戦を繰り広げた上杉謙信は、実は女だった。いわゆる「上杉謙信女性説」にもとづいて描かれた漫画で、歴史好きの間で近年注目を浴びている作品です。

東村アキコと言えば『海月姫』『東京タラレバ娘』などで今最も注視されている漫画家の一人ですが、その彼女が描く上杉謙信は、どんな「女」であり、「男」であるのでしょうか。

『センゴク』 宮下英樹 講談社

センゴク(1) (ヤンマガKCスペシャル)
596円(税込)

・現在連載中
・第1部『センゴク』既刊15巻
 第2部『センゴク天正記』既刊15巻
 第3部『センゴク一統記』既刊15巻
 最終部『センゴク権兵衛』既刊5巻
・講談社「週刊ヤングマガジン」に掲載
・その他:無し

ある男の出世と没落、再出世を通して描く戦国時代

仙石秀久と言う武将をご存知でしょうか。通称は「権兵衛」ですが、歴史になじみのない人は知らないかもしれませんね。順調に出世していた秀久は信長に仕え、秀吉に仕えます。しかしある合戦に参加した時、彼の運命は暗転します。

戦国時代は乱世ではありますが、実力と器量次第でいくらでも出世が望める時代でもありました。秀久がどんな運命を辿るのか、あなたのその目で確かめてみて下さい。

作中、多くの通説に疑問を呈しながら話を進めて行く宮下英樹の手腕も見どころです。

『信長協奏曲』 石井あゆみ 小学館

信長協奏曲 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
473円(税込)

・現在連載中
・既刊14巻
・小学館「ゲッサン」に掲載
・その他:第57回小学館漫画賞少年向け部門受賞

戦国時代にタイムスリップ!メディアミックスもした人気作

歴史が苦手で戦国時代に知識のない主人公が、戦国時代にタイムスリップするところから始まる本作。メディアミックス化もされたので、名前を聞いたことがある方も多い作品だと思います。

ドラマ版・アニメ版・映画版・漫画版と4つの作品があるので、ファンは嬉しいかもしれませんね。それぞれ全部見比べて、どっぷり『信長協奏曲』の世界に浸るのも楽しいでしょう。

『花の慶次 雲のかなたに』 原哲夫 徳間書店

花の慶次―雲のかなたに (第1巻) (Tokuma comics)
1,008円(税込)

・現在完結済み
・集英社版コミックス全18巻、文庫版全10巻、完全版全15巻、新潮社版バンチコミックス全12巻、徳間書店文庫版全10巻
・集英社「週刊少年ジャンプ」に掲載
・その他:続編に『義風堂々』あり

痛快!快男児の駆ける戦国時代

加賀の大名・前田利家の親戚であり、傾奇者として知られた前田慶次の名を有名にした一作です。インターネット上でも人気が高く、連載終了から20年以上経過しているにも関わらず、LINEスタンプが販売されるなどで変わらない人気を誇る作品です。

この作品の魅力は、何と言っても慶次の快男児っぷりではないでしょうか。自分が納得しない人物には頭を下げず、「惚れた」相手には心から接する。そんな慶次のように生きたいと願う人も居るでしょう。

原作は隆慶一郎の原作小説ですので、こちらもぜひどうぞ。

『へうげもの』 山田芳裕 講談社

へうげもの(1) (モーニング KC)
566円(税込)

・現在連載中
・既刊23巻
・講談社「モーニング」に掲載
・その他:アニメ化作品あり。
 第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞
 第14回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞

タイトルの読み方は「ひょうげもの」。数奇に生きたいんです

「数寄者」と言うのは、戦国時代から江戸時代にかけての言葉で、茶の湯に執心した人々を指す言葉です。当時は茶の湯はとても重要なステータス。茶道を嗜んでいるかで出世が決まることもありました。そんな数寄者・古田織部の業と数寄の道を描いた作品です。

インターネット上では独特の絵と表情が話題になることもありますね。合戦ばかりが戦国時代ではありません。文化に生きたい人たちの「へうげ」っぷりを見てみて下さい。

『イシュタルの娘〜小野於通伝〜』 大和和紀 講談社

イシュタルの娘~小野於通伝~(1) (BE LOVE KC)
504円(税込)

・現在連載中
・既刊14巻
・講談社「BE・LOVE」に掲載
・その他:無し

乱世は女性の才能をも開花させる

歴史に詳しくない方には、戦国時代では女性は合戦に怯えて泣いている、という印象がある人もいるかもしれません。しかし女性だって怯えてばかりはいられません。自分の才を武器に、世を渡っていった女もいるのです。

主人公の小野於通は、信長・秀吉・家康の「三英傑」に使えた才色兼備。誰でも才能才覚があれば立派に世間を渡っていくことができる、そう言っているかのような作品です。

『バガボンド』 井上雄彦 講談社

バガボンド(1)(モーニングKC)
586円(税込)

・現在連載中
・既刊37巻
・講談社「週刊モーニング」に掲載
・その他:原作は吉川英治『宮本武蔵』。
 第4回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞
 第24回講談社漫画賞一般部門受賞
 第6回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞

剣豪宮本武蔵、剣の道に生きる

海外でも評価が高いこちらの作品は、剣豪・宮本武蔵の生き様を描いた漫画作品です。『スラムダンク』で有名な井上雄彦が、今度は戦国時代〜江戸時代初期に舞台を移し、武蔵(たけぞう)が武蔵(むさし)になっていくさまを精緻に描きます。

時に切なく、時に厳しく、時に優しく、人間の表情や行動を切り取った素晴らしい作品です。リアルな井上雄彦の絵柄にも注目したいですね。

日本史 江戸時代編

ドラマでも映画でも小説でも人気が高い時代である江戸時代。町人文化が一気に開花し、人情を描きやすい時代であるためでしょうか。

比較的平和な時代でしたが、そこに生きる人間たちの苦悩があることには代わりはありません。たくさんある中からいくつかピックアップしましたので、知らない作品がありましたらチェックしてみて下さいね。

なお、幕末は幕末・明治以降編として別にまとめていますので、そちらをご覧ください。

『大奥』 よしながふみ 白泉社

大奥 (第1巻) (JETS COMICS (4301))
617円(税込)

・現在連載中
・既刊14巻
・白泉社「MELODY」に掲載
・その他:ドラマ化作品、映画化作品あり。
 第5回センス・オブ・ジェンダー賞特別賞
 第10回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞
 第13回手塚治虫文化賞マンガ大賞
 第56回小学館漫画賞少女向け部門

奇病によって男性が激減した社会。女将軍を待つのは、美男三千人

きわめて優秀なストーリーテラーであるよしながふみが手がける、男性と女性が逆転した「大奥」です。謎の感染症によって男性の人口が激減した日本で、男女が織りなす懊悩と苦悶を描いています。男と女が逆転した社会で、どんな愛憎が起きるのでしょうか。

男女が逆転したという設定でのみ語られがちですが、歴代将軍たちの悲しみを丁寧に表現しています。

この作品は同時に、「どうやって病気を撃退し、男性の人口を増やすのか」というSF作品としての色を持つ作品でもあります。手に汗握る展開が待っていますよ。

『バジリスク〜甲賀忍法帖〜』 せがわまさき 講談社

バジリスク 甲賀忍法帖 上 (講談社漫画文庫)

・現在完結済み
・全5巻
・講談社「ヤングマガジンアッパーズ」に掲載
・その他:第28回講談社漫画賞一般部門受賞

忍者の非情な運命を主人公は打ち破ることが出来るのか

山田風太郎の小説を原作にした漫画作品がこちらです。講談社漫画賞を受賞し、アニメ化もされている今作。辛い運命に向き合った、江戸時代を生きる忍びの者たちの生きざまを描いています。

名作として名高い作品ではありますが、5巻で完結し、コンパクトにまとまっていますので読みやすい作品だと思います。連休の日に全巻読破し、原作も読んでみるのもできそうですね。

『竹光侍』 松本大洋 小学館

竹光侍 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

・現在完結済み
・全8巻
・小学館「ビッグコミックスピリッツ」に掲載
・その他:第11回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞
 第15回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞

2つの顔を持つ剣豪が生きる街

日本漫画界の大家である松本大洋が描く江戸時代の侍譚です。永福一成が原作を書いています。まず驚くのが、アートタッチで漫画っぽくない絵柄でしょう。作品ごとに絵を変える松本大洋のこだわりが現れています。

剣の腕はものすごく立つのに、普段は竹光を腰に差して、のんびりと暮らす主人公。しかし彼は出生の秘密を抱えており…と話は進みます。まずは絵を見てみるつもりで読んでいても、いつの間にかストーリーに引き込まれている、そんな作品です。

『天地明察』 槇えびし 講談社

天地明察(1) (アフタヌーンKC)
617円(税込)

・現在完結済み
・全9巻
・講談社「月刊アフタヌーン」に掲載
・その他:原作は冲方丁の小説『天地明察』

暦を作った人間の知られざる苦闘

主人公・渋川春海は、囲碁の棋士ではありますが、興味があるのはもっぱら数学。そんな彼が作ることになったのは、日本に合った、日本のための「暦」。天と地を観測し、彼が得たものとは何だったのでしょうか。

冲方丁の小説を原作とした漫画作品です。癖のない絵柄で、原作を忠実に再現した本作。映画にもなっておりますので、原作小説・漫画・映画をすべて見てみるのも楽しいでしょう。

あまり知られていない戦いをした主人公の苦闘を知って、先人に思いを馳せてみるのも良いですね。

『ふたがしら』 オノ・ナツメ 小学館

ふたがしら 第1集 (IKKI COMIX)
669円(税込)

・現在完結済み
・全7巻
・小学館「月刊IKKI」「ヒバナ」に掲載
・その他:世界観を同じくする作品として同作者の『さらい屋五葉』

正反対の二人が「でっかいこと」をするため旅に出る

独特の絵柄が特徴的なオノ・ナツメですが、そんな作者が手掛けた江戸時代物がこちらです。性格が正反対の男二人が、「ふたりの頭」ふたがしらとなって、「大きいこと」をするために旅に出るのが1巻のあらすじです。

同じ作者の作品として、『さらい屋五葉』があり、『ふたがしら』は『さらい屋五葉』のサイドストーリー的な部分もあります。しかし独立した作品としても十分楽しめる漫画となっていますので、ぜひご覧ください。

『さくらん』 安野モヨコ 講談社

さくらん (KCデラックス イブニング)

・現在連載休止中
・既刊1巻
・講談社「イブニング」に掲載
・その他:映画化作品あり

女が女として生きざるを得ない苦界

『さくらん』は遊郭に売られた主人公が成長し、客を取るようなり、花街での苦しい恋をするまでが描かれた漫画作品です。女性が簡単に売買されていたこの時代、主人公も売られて花街へやって来ました。女だけの社会、女であることを売り物にせずには生きられない世界を、安野モヨコが描いています。

連載休止という体裁を取っている本作品ですが、話としては完結しており、1冊だけの刊行ですのでサクサクと読むことが出来ると思います。江戸時代の華であり、同時に辛い境遇を生きた存在である遊女たちのことを考えてみるのも良いでしょう。

日本史 幕末/明治以降編

戦国時代と並んで人気の高い地代、幕末。江戸時代の末期に、倒幕佐幕、二つの信念がぶつかり合わせ、命を燃やした武士たちへの思いがそうさせるのでしょうか。

明治以降は、列強と呼ばれる世界情勢の複雑さも相まってなかなか難しい時代ではありますが、こちらも面白い作品がたくさんありますので、ご紹介させていただきます。

『アサギロ』 ヒラマツミノル 小学館

アサギロ 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
473円(税込)

・現在連載中
・既刊15巻
・小学館「ゲッサン」に掲載
・その他:無し

新撰組の伝説的剣士を少年時代から描く

幕末に京都の治安を守るため活躍した新撰組の中でも特に有名な沖田総司。その総司を少年時代から描いた作品がこの『アサギロ』です。物語の進行は比較的ゆっくりで、現在は15巻まで刊行されており、新選組の前身から組の中で起きたことを丁寧に描いています。

伝説化されている沖田総司ですが、その生き様はどんなものだったのでしょうか。浅葱色の狼と呼ばれた彼らの活動の中で、沖田の剣がうなります。

『風光る』 渡辺多恵子 小学館

風光る 第1巻 (小学館文庫 わA 31)
648円(税込)

・現在連載中
・既刊39巻
・小学館「月刊フラワーズ」に掲載
・その他:第48回小学館漫画賞受賞。新撰組の表記は「新選組」

少女が性別を偽って新選組に入隊!

家族の仇をとるため、性別を偽って新撰組に入隊した少女、セイ。彼女の成長と、新選組の戦いを描いた漫画がこの作品です。性別を偽って女性が男社会に入るというのはよくある展開かもしれませんが、1997年に第1巻が発売されて以来、人気作品として現在も連載が続いています。

新選組を女性視点から描いた本作は、歴史漫画でありながら少女漫画の王道という声も聞かれます。「幕末青春グラフィティ」と銘打っているだけあり、爽やかな作品です。

『JIN-仁−』 村上もとか 集英社

JIN―仁 (第1巻) (ジャンプ・コミックスデラックス)
545円(税込)

・現在完結済み
・全20巻、文庫版全13巻
・集英社「スーパージャンプ」に掲載
・その他:テレビドラマ化作品あり

幕末へ名医がタイムスリップ!ドラマ版も評価が高い名作

現代の医師である主人公が、幕末の江戸にタイムスリップしてしまい、そこで医療活動に従事することになるという「タイムスリップ」ものです。同時に医療もの・人情もの・幕末歴史ものでもあり、どの部分においても非常に細かい考証を行っていることが特徴です。

TBSでドラマ化もされた本作。大沢たかお主演で、こちらも大変評価が高い作品ですので、漫画とドラマ、どちらも見てみると楽しいかもしれませんよ。

『お〜い!竜馬』 小山ゆう 小学館

お~い!竜馬 (1) (小学館文庫)
669円(税込)

・現在完結済み
・全14巻、文庫版全14巻、新装文庫版全12巻
・小学館「ビッグコミック」「ヤングサンデー」に掲載
・その他:テレビアニメ化作品あり

竜馬の青春と生き様が歴史を動かした

日本人なら誰しもが知っている偉人、坂本竜馬。その生きた時代と彼の人生を、コミカルとシリアスを交えながら描いた漫画作品です。原作は幕末フリークとして有名な、俳優の武田鉄矢氏が書いています。

小山ゆうは『あずみ』などの作品でも有名ですが、こちらの作品でも作画と話の持って行き方には光るものがあります。1980年代に連載を開始した漫画でありながら、現在も読み継がれる傑作です。

『るろうに剣心 明治剣客浪漫譚』 和月伸宏 集英社

るろうに剣心―明治剣客浪漫譚 完全版 (01) (ジャンプ・コミックス)
1,234円(税込)

・現在完結済み(続編の企画あり)
・コミックス全28巻、完全版全22巻、文庫版全14巻
・集英社「週刊少年ジャンプ」に掲載
・その他:テレビアニメ化作品、実写映画化作品あり

週刊少年ジャンプの黄金期を支えた傑作明治物語

幕末、維新志士の中で「人斬り抜刀斎」と呼ばれ、幕府要人の暗殺を繰り返し、恐れられた剣豪がいた。彼は維新後、明治時代の空の下を、「もう決して人を殺さない」と言う信念のもと、悪を倒すために剣を振るいます。そんな彼のもとに、少しずつ仲間が集ってきます。

1990年代の「週刊少年ジャンプ」の黄金期に、他の名作漫画たちとともに連載された大人気少年漫画です。桂小五郎、大久保利通など維新の英傑たちも多く登場し、維新後の明治時代の雰囲気を味わうことが出来る貴重な作品です。

『ゴールデンカムイ』 野田サトル 集英社

ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックス)
555円(税込)

・現在連載中
・既刊9巻
・集英社「週刊ヤングジャンプ」に掲載
・その他:アイヌ監修・中川裕、2016年マンガ大賞受賞

明治末期の北海道、黄金を求めてサバイバル

日露戦争に従軍した主人公は、当時まだ開拓地であり、黄金があると言われた北海道に乗り込みます。そこはまさにサバイバルの世界。アイヌの少女と行動を共にするようになった主人公は、黄金を手に入れることができるのか?

開拓期の北海道、そしてアイヌ文化を扱った珍しい漫画作品です。2016年のマンガ大賞を受賞し、注目度も面白さも、どちらも脂が乗りきった作品であることは間違いありません。

世界史編

次は世界史を扱った漫画に目を向けてみましょう。日本史よりも資料を調べにくいためか、数は多いとはいえないかもしれませんが、それでもその時代に生きた人々の活躍を知ることができる作品はありますよ。

歴史はどこか一つでも得意な地域があると全体が理解しやすくなってきますから、漫画で好きな時代・地域を勉強するのも手段の一つかもしれません。

『王家の紋章』 細川智栄子あんど芙〜みん 秋田書店

王家の紋章 第1巻 (プリンセスコミックス)
453円(税込)

・現在連載中
・既刊62巻、文庫版既刊23巻
・秋田書店「月刊プリンセス」に掲載
・その他:第36回小学館漫画賞少女向け部門受賞

古代エジプトと現在をつなぐ大河ロマン開幕!

1976年に連載を開始し、今もなお連載を続け、親しまれている作品がこちらです。古代エジプトの調査をしている主人公が、実際に古代エジプトにタイムスリップしてしまい、そこで様々な事件に巻き込まれる波乱万丈な物語です。

精緻で端正な絵柄だけでなく、古代エジプトの魅力をきちんと伝えているところが、物語の面白さをサポートしてくれています。一度読んだら、エジプトに行ってみたくなってしまう魅力的な漫画です。

『天は赤い河のほとり』 篠原千絵 小学館

天(そら)は赤い河のほとり (1) (少コミフラワーコミックス)

・現在完結済み
・全28巻、文庫版全16巻
・小学館「少女コミック」に掲載
・その他:第46回小学館漫画賞少女部門受賞、外伝小説あり

古代オリエントにタイムスリップした少女の冒険

こちらも「古代へタイムスリップもの」ではありますが、タイムスリップする先はオリエント文明の強国・ヒッタイトです。主人公が様々な試練を経て成長し、恋をし、強くなっていく様に魅了された読者も多いことと思います。

史実にオジリナルを上手く絡め、話を作っていく巧さはさすがは篠原千絵と言ったところでしょうか。女性漫画家は古代の歴史に強いですね!

『封神演義』 藤崎竜 集英社

封神演義 1 (集英社文庫 ふ 26-7)
788円(税込)

・現在完結済み
・全23巻、完全版18巻
・集英社「週刊少年ジャンプ」に掲載
・その他:原作は安能務『封神演義』。テレビアニメ化作品あり

古代中国の革命ファンタジー

中国の古代王朝、殷の時代。国は美女・妲己に心を奪われた王によって乱れていた。人間たちに革命を起こさせるように命じられた主人公・太公望は、冒険と試練を重ねる内に、その企みの裏側に気づきます。

「古代中国」というイメージをもってこの作品を読むと肩透かしを食らうかもしれません。それほどSFやファンタジー要素が強いのです。でも、現在でも根強いファンが居る魅力的な漫画作品となっていますので、機会があったらぜひ読んでみて下さいね。

『キングダム』 原泰久 集英社

キングダム 1 (ヤングジャンプコミックス)
545円(税込)

・現在連載中
・既刊45巻
・集英社「週刊ヤングジャンプ」に掲載
・その他:第17回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞。テレビアニメ化作品あり

圧倒的な面白さ!中国の戦乱をド迫力で描いた佳作

こちらも中国史を題材とした漫画です。中国の戦国時代、二人の戦災孤児が出逢います。二人はそれぞれ出世を夢見て戦い、その運命を交錯させていきます。

戦闘における迫力も人物描写も、圧倒的でリアルな迫力がウリの漫画作品であり、作者がテレビドキュメンタリーで取材されるなど、注目度も面白さも抜群です。これから彼らがどう生き、どう戦っていくのか。目が離せませんね。

『ヒストリエ』 岩明均 講談社

ヒストリエ(1) (アフタヌーンKC)
607円(税込)

・現在連載中
・既刊9巻
・講談社「月刊アフタヌーン」に掲載
・その他:第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞。
 2012年に第16回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞

アレクサンドロス大王の書記官となる少年の数奇な生涯

インターネット上でも人気の作品であるこの『ヒストリエ』は、休載を挟みながらも現在も連載しており、マケドニアやペルシアの歴史や文明を知ることができる豊かな作品です。

主人公は、将来アレクサンドロス大王の書記官となる少年。でも、彼はもちろんそのことを知りません。歴史の荒波に揉まれながら、少しずつ成長して行きます。彼は何を見、何を知るのでしょうか。

『プリニウス』 ヤマザキマリ とり・みき 新潮社

プリニウス (1) (バンチコミックス45プレミアム)
713円(税込)

・現在連載中
・既刊5巻
・新潮社「新潮45」に掲載
・その他:無し

古代ローマを舞台に淡々と世界は進む

古代ローマの博物学者、通称大プリニウスと呼ばれるプリニウスとその書記官、そして暴君として名高い皇帝ネロらを描いた歴史物語です。ヤマザキマリと言えば、下記の『テルマエ・ロマエ』が有名ですが、コメディチックな『テルマエ・ロマエ』とは対称的に、淡白な話の展開が目立つ作品となっています。

人物に関してはヤマザキマリ、背景に関してはとり・みきが担当しているこの漫画。ドラマチックさは少ないかもしれませんが、あらゆるものを記録したプリニウスの影響を受け、万物が興味深く見えてくるかもしれません。

『テルマエ・ロマエ』 ヤマザキマリ エンターブレイン

テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)
734円(税込)

・現在完結済み
・全6巻
・エンターブレイン「コミックビーム」に掲載
・その他:テレビアニメ化作品、実写映画化作品あり

ローマ人が現代日本にタイムスリップ!爆笑の浴場を築く

前述の『プリニウス』と対を成しているかのような作品が、こちらの『テルマエ・ロマエ』です。古代ローマの浴場設計者が現代日本にタイムスリップし、そこで得た知識をローマの浴場に活かしていくというコメディです。

マンガ大賞のみならず国際的な芸術賞も受賞し、テレビアニメ化、実写映画化もされたこの作品は、イタリアでも話題になったんだとか。またコメディではありますが、日本の生殖器信仰など、意外にディープな話題にも触れているのも特徴です。

『三国志』 横山光輝 潮出版社

三国志 (1) (潮漫画文庫)
700円(税込)

・現在完結済み
・全60巻、文庫版30巻、愛蔵版全30巻
・潮出版社「希望の友」「少年ワールド」「コミックトム」に掲載
・その他:テレビアニメ化作品あり

三国志の定番である横山光輝版

初めての「三国志」が横山光輝版だった、と言う方は多いのではないかと思います。分かりやすい人物描写に魅力的なキャラクター、それでいて合戦シーンは迫力たっぷり。また馬岱の「ここにいるぞ」などの名言も多数で、インターネット上でもたびたび話題になりますよね。

独自の解釈をかなり入れているため、正確な三国志を知りたい人には不満もあるかもしれません。でも数ある三国志作品の中でも、特に初心者にオススメの漫画ですよ。

『蒼天航路』 王欣太 講談社

極厚 蒼天航路(1) (KCデラックス モーニング)

・現在完結済み
・全36巻、文庫版全18巻、極厚版全12巻
・講談社「モーニング」に掲載
・その他:原作は李學仁。テレビアニメ化作品あり

悪役だった曹操を英雄としてみなした新しい三国志

三国志では、「悪役」として設定されている曹操。しかしその曹操を、「英雄」として新しい視点から描いた漫画作品がこの『蒼天航路』です。正史(脚色されていない歴史としての三国時代の歴史)や三国志の描写にこだわらずに描いている姿勢が伺えます。

三国志の本場・中国では、今なお嫌われ者だという曹操。しかし悪役にスポットを当て、歴史を別の視点から見てみるという試みは当たり、曹操は日本では人気が高まっているそうです。

新しい三国志に触れて、カルチャーショックを受けてみませんか?

『ヴィンランド・サガ』 幸村誠 講談社

ヴィンランド・サガ(1) (アフタヌーンKC)
617円(税込)

・現在連載中
・既刊18巻
・講談社「週刊少年マガジン」「月刊アフタヌーン」に掲載
・その他:第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞
 第36回講談社漫画賞一般部門を受賞

ヴァイキングたちの活躍と戦いの物語

11世紀初頭に北欧で「蛮族」と呼ばれ恐れられたヴァイキングたちの活躍と、その戦いぶりを描いた漫画作品です。北欧だけではなく、のちにヨーロッパ全土にその炎は燃え上がることになります。

北欧の歴史を扱ったマンガは珍しく、また作者の幸村誠は『プラテネス』では宇宙を舞台にしたマンガを描いており、その振り幅と引き出しの多さに驚かされますね。時代考証が細かいのもポイントです。

『狼の口 ヴォルフスムント』 久慈光久 エンターブレイン

狼の口 ヴォルフスムント 1巻 (BEAM COMIX)
670円(税込)

・現在完結済み
・全8巻
・エンターブレイン「Fellows!」「ハルタ」に掲載
・その他:無し

残酷かつ熾烈な独立戦争の鍵を握るのはひとつの関所

14世紀初頭、のちにスイスと呼ばれる土地は、オーストリアハプスブルグ家の支配を受けていました。ハプスブルグ家に抵抗したい人々は、イタリアへと続く一つの関所に集まります。その関所には、ハプスブルグ家からの命を受けた一人の男がおり、その残忍さから関所は「狼の口(ヴォルフスムント)」と呼ばれていたのでした。

非常に残酷な描写が多いことが特徴の漫画ですので、受け付けない人もいるかもしれませんが、決して抵抗を止めない人々の戦いは胸を打つものがあります。彼らは独立することができるのか、そして関所の行方は…気になるところがたくさんです。

『チェーザレ 破壊の創造者』 惣領冬実 講談社

チェーザレ 破壊の創造者(1) (KCデラックス モーニング)
812円(税込)

・現在連載中
・既刊11巻
・講談社「モーニング」に掲載
・その他:監修は原基晶

ボルジア家の毒と政治の天才

イタリアのボルジア家といえば名門であり、毒殺にまつわる数々の事件で歴史に名を残していることでも有名です。中でもボルジア家の次男であるチェーザレ・ボルジアは権謀術数の限りを尽くし、自分の理想のイタリアを作るために戦います。現在まだ未完ですので、作品の完成が楽しみな作品ですね。

チェーザレ・ボルジアのついての作品と言えば、塩野七生の小説が日本では有名ですが、こちらの漫画も負けてはいません。監修は原基晶が行い、史実に沿った作品となっています。

『アルテ』 大久保圭 徳間書店

アルテ 1 (ゼノンコミックス)
626円(税込)

・現在連載中
・既刊6巻
・徳間書店「月刊コミックゼノン」に掲載
・その他:無し

ルネッサンス開花期のフィレンツェで生きる女流画家の物語

芸術文化が花開いた街、イタリアのフィレンツェ。そこで、ある少女が画家の門を叩いた。画家として生きていきたいと願う彼女に、差別や偏見など、さまざまな難題が降りかかります。女性が絵を描くということに強い偏見が持たれた時代に、主人公は新しい道を切り開くことができるのでしょうか。

「人間性の再生」と言われるルネッサンスの中でも女性差別が強かったと言うことに驚かされますが、丁寧な絵と、さわやかなイタリアの空がそれを見守っているような作品です。

『ベルサイユのばら』 池田理代子 集英社

ベルサイユのばら (1) (マーガレットコミックス (106))
443円(税込)

・現在完結済み
・旧版単行本全10巻、集英社漫画文庫全10巻、愛蔵版全2巻+外伝全1巻、文庫版全5巻+外伝全1巻、他多数
・集英社「マーガレット」に掲載
・その他:テレビアニメ化作品あり、宝塚歌劇団による舞台化あり

一大ブームを巻き起こした少女漫画界の大傑作

この作品の名前を知らない方はいないでしょう。マリー・アントワネットと、架空の人物であり男装の麗人であるオスカル・フランソワを主人公に、交錯する運命と、フランス革命への歴史のうねりを描いた、少女漫画界の歴史に残る大作です。

当初はおおらかな性格だったマリー・アントワネットが起こす騒動と時代的な流れ、オスカルが生きる道を知る経緯は圧巻の一言。歴史に興味がない人でも、少女漫画を知る上での教養として読んで頂きたい一作です。

『イノサン』 坂本眞一 集英社

イノサン 1 (ヤングジャンプコミックス)
223円(税込)

・現在完結済み(続編連載中)
・全9巻
・集英社「週刊ヤングジャンプ」に掲載
・その他:続編「イノサン Rouge」あり

死刑執行人から見たフランス革命とは

主人公は、フランスの死刑執行人の一族に生まれた青年。市民に嫌われ、悪しざまに扱われる主人公は、その運命に思い悩み、懊悩し、そして彼なりの「イノサン=純真さ」を見せていきます。

非常に写実的な絵柄が目を引きますが、同時に男性漫画家が描いていながら、少女漫画的と言われる作風も特徴的です。続編となる『イノサン Rouge』の連載も始まっています。

『乙嫁語り』 森薫 エンターブレイン

乙嫁語り 1巻 (BEAM COMIX)
670円(税込)

・現在連載中
・既刊9巻
・エンターブレイン「Fellows!」「ハルタ」に掲載
・その他:2014年度マンガ大賞受賞

遊牧民の暮らしを穏やかに見つめる物語

「乙嫁」とは、古い言葉で「綺麗なお嫁さん」のこと。19世紀、遊牧民、あるいは元遊牧民として中央アジアに暮らす人々の暮らしを「お嫁さん」たちの視点を通して静かに、穏やかに見つめていくのがこの漫画作品です。

下記の『エマ』でも言えることですが、作者の森薫の絵の書き込みは凄まじいものがありますので、必見です。歴史漫画というよりは暮らしを紹介するような漫画といった趣きが強いですが、きっと彼女たちの暮らしが愛おしくなると思います。

『エマ』 森薫 エンターブレイン

エマ (1) (ビームコミックス)
670円(税込)

・現在完結済み
・全7巻
・エンターブレイン「コミックビーム」に掲載
・その他:テレビアニメ化作品あり
 平成17年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞

メイドと貴族の恋はどんな方向へ?

19世紀、ヴィクトリア朝のイギリス。ある貴族の家に仕えるエマは、出会った青年と心を通わせるようになります。しかし二人の間には、厳然とした身分の差が壁となって立ちふさがるのでした。

こちらの作品も森薫のものですが、『乙嫁語り』と同じく、話の進行は淡々としています。細かく描き込まれた絵柄と、緻密な時代考証が目を引く本作品。エマの恋の行く末はどこにあるのでしょうか。

『アドルフに告ぐ』 手塚治虫 講談社

アドルフに告ぐ(1) (手塚治虫文庫全集)
918円(税込)

・現在完結済み
・文春コミックス全5巻、講談社版全5巻、他多数
・文藝春秋「週刊文春」に掲載
・その他:第10回講談社漫画賞一般部門受賞

3人のアドルフが作る未来とは

この記事最後にご紹介するマンガは、手塚治虫の『アドルフに告ぐ』です。作品のタイトルとなっている「アドルフ」とは、ヒトラーのことであり、主人公であるアドルフ・カウフマンであり、もうひとりの主人公であるアドルフ・カミルのことです。3人は第2次大戦の下で、3人なりの数奇で残酷な運命を辿ります。

ラストは若干描き急いだ感じはありますが、この作品が、漫画で世界の歴史を勉強する上でとても重要な作品であることは言うを待ちません。

手塚治虫と言えば、さまざまな時代や国を扱った『火の鳥』も有名ですので、そちらもぜひどうぞ。

まとめ

漫画というと、子ども向けと思われたり、娯楽としては一段低いものと思われたりすることもあります。しかし漫画は視覚情報も多いので、頭で歴史上の人物の顔を想像しながら勉強するよりも、人物を覚えたりしやすいのではないかと思います。

今回紹介した歴史漫画は、世の中にたくさんある歴史漫画のごく一部です。この記事に紹介してある作品を超えてたくさん読めば、日本や世界の歴史について語れるようになるかもしれませんね。

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